NE5534ヘッドフォンアンプ

(2004年4月:製作、2006年1月:改造)

 

 

 

前書き

 この作品は全くの偶然から生まれました。つまりヘッドフォンアンプを作ろうとして出来たものではなく、結果としてヘッドフォンアンプになったのです。

設計と製作

 会社の先輩から600Ω:40Ωのマッチングトランスを頂きました。600Ω側は150Ωのスプリットになっています。ブランドは「日本光電」で、確かにこの会社には変成器事業部がありトランスを作っているのですが、ラインナップには、このマッチングトランスは見当たりません。調べてみると大きさやインピーダンスがタムラのTpC−7と同じです。このトランスは旧BTS規格品で、各社が製造していたようです。規格品ですから、特性はタムラのデータとほぼ同じと考えて良いでしょう。それによると、最大使用レベルは+25dBm、周波数特性は30Hz〜20kHzで±0.25dBとなっています。

 う〜ん、何に使いましょう。2次側インピーダンスは、ヘッドフォンを繋ぐのに適していますが、超ミニプッシュプルアンプに仕立てるにも1次側インピーダンスが、ちょっと低い。それにヘッドフォンアンプはこの前、作っちゃったし・・・・・

 で、しばらく放っておいたのですが、ある日、別の目的でOPアンプのデータシートを見ていたら、負荷が600Ωでも充分にドライブ出来る事に気がつきました。「そうだ! OPアンプ一丁でヘッドフォンアンプを作ろう。ついでに電池駆動式にすれば持ち運び可能で、前のヘッドフォンアンプと住み分けができるぞ。」

 それでえいやっと作り上げてしまいました。OPアンプ一丁といっても、割と重たい負荷になるので、発熱の面も考え(2回路入りではなく)左右チャンネルで独立したものを使いました。電源は5Vから±15Vを作り出すDC−DCコンバータで、電池には単3型ニッケル水素電池4本を使っています。回路図はこちらです。

 製作はさっさ、さっさと進みました。ケースの加工には初めてステップドリルを使ってみたのですが、これは楽です。シャシ加工における「目から鱗」状態です。出来上がった作品の内部写真は以下の通りです。

 

  改造

 やっぱりいちいち蓋を開けて電池を取り出し充電するのは面倒なので、充電回路を付加しました。安全な0.1Cによる充電回路です。パイロットランプをフルカラーLEDに変更して、充電時は赤、バッテリーで動作時は青、ACアダプタを使用して動作している時はマゼンタに光るようにしました。改造後の回路図はこちらです。

 

特性の測定

 高帰還、オペアンプなので、物理的特性(歪み率等)は、我が家の測定限界以下です。周波数特性は、マッチングトランスが帰還ループの外にあるので、それなりの値かと思いましたが、予想外に良いので驚きました。トランスって適切に使えば優秀な伝送デバイスなんですね。
 周波数特性(グラフ)はこちらです。

 特性概要は以下の通りとなります。ダンピングファクタはマッチングトランスの直流抵抗のため少し低い値です。

  

L ch

R ch

総合利得(38Ω負荷)

0767 (-2.3dB)

0767 (-2.3dB)

ダンピングファクタ(1kHz、38Ω負荷) 2.37 2.37
残留雑音(38Ω負荷)

0.05mV以下

0.05mV以下

消費電力

1.32VA

 オペアンプは差し替えにより、音の変化を楽しむ事が出来ます。当初はFET入力のOPA604で製作しましたが、最終的にはバイポーラ入力のNE5534としました。(音の変化は比較的小さいです。)


 

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