6CL6三結 差動プッシュプルアンプ その2

(2011年9月:製作)

 

 

前書き

 6CL6三結の入力感度の高さを活かしてOPアンプでドライブするアンプを作成(こちら)してみました。ワイドラー風設計も取り入れてなかなか面白いアンプに仕上がったのですが、OPアンプは内部は多段増幅なので増幅経路をシンプルにしてみたいと思い、改造(再製作)する事にしました。

 

設計

 出力段部分は6CL6三結で変わりませんので、10Vrmsもあればドライブ可能でFET一段増幅で充分行けます。これまで(3段増幅のアンプの初段のFETアンプは)2SK30ATMを使用してきましたが、今回はもう少しゲインの取れる2SK170を使ってみる事にしました。

 電源トランスや出力トランスもキャリーオーバーなので、出力段の設計は変わらず。初段用の電源はB電圧を降圧します。スイッチングレギュレータで正負電源を作っていた前バージョンよりはシンプルです。(笑)

  ちゃちゃっと直した回路図はこちらです。

 

製作

 増幅部と電源部を分離していた前バージョンでしたが、今回は一体型としました。使うのは弁当箱シャシですが縦長デザインとします。キャリーオーバーの電源トランスは筐体の中央部に配置しカバーの中に入れます。

  穴あけと塗装をした写真です。弁当箱シャシを縦長で使用すると正面がスポット溶接した面になるのでパテ埋め作業が必須です。

 

 色はもうちょっと明るいメタリック調のグリーンにしようと思っていたのですが、近所のホームセンターで探しても見つからずに断念。結局ソリッドカラーの緑色です。(以前はカー用品コーナーに車の補修用塗料として品揃え豊富に置いてあったのですが、あまり売れないのでしょうか?最近は地味な色に限られています。カーディーラーまで出かけて頼む程の根性はありません。)

  電源トランスを取り付けたところの写真です。補助金物を使用して出力トランスとの電磁結合が少なくなる向きに配置しています。(伏型トランスって自然にこの向きになるんですよね。端子がシャシ内に入るだけでなく特性の面からも有利な形式です。穴あけが大変ですけど・・・。)

 

 内臓はこんな感じです。電源トランスを中央部に配置したので、出力管と出力トランスの配線は長くなってしまいましたが、シャシ内の部品配置は結構効率的になりました。

 

 後ろ姿はこんな感じです。

 

 そもそも何故、縦長デザインにしたかと言うとこんな場所に置きたかったからです。

 

 

調整と特性測定

 特性ですが、無帰還時の利得が思ったより大きく(ちゃんと計算してなかったので)、帰還後の仕上がり利得を(これまでの作例より大きい)10倍(20dB)に設定しました。それでも負帰還量が15.7dBと多めです。このため容量負荷時の安定性を保つため、位相補正用コンデンサの容量はカット&トライで決めています。

 最大出力は変化なし。6Ωより8Ωのスピーカーの方が最大出力が大きい(最適負荷に近い)のも前バージョンと変わりありません。(負荷インピーダンスと電源電圧を変えてないので、当たり前ですが)

  残留雑音はまあまあのレベルに抑え込めたかと思います。IHF-Aの評価フィルタを自作しましたので、今回は評価値も測りました。 

 

L ch

R ch

総合利得(無帰還)

60.1(35.7dB)

60.1 (35.7dB)

負帰還量

15.7dB

15.7dB

総合利得(帰還後)

10.0 (20.0dB)

10.0 (20.0dB)

ダンピングファクタ(1kHz、帰還後) 11.2 11.2
残留雑音(帰還後、無補正)

0.16mV

0.094mV

残留雑音(帰還後、IHF-A)

0.039mV

0.033mV

最大出力(1kHz、歪み5%)

2.9W

3.0W

最大出力8Ω時(1kHz、歪み5%)

3.7W

3.7W

消費電力

56.2VA (AC 103.5V)

 特性図(グラフ)はこちらです。

 


 

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